千年の追憶【完】
プリプリ怒りながら美百合が近づいて来た。


「あっ!ごめん美百合…。」


「俺が都を、家まで迎えに行ったんだ。
君を一人で登校させてしまって、すまなかったね。」


申し訳なさそうに、鹿住くんが変わりに答えてくれた。


そんな表情さえもかっこいい。


「どうして早時君が都を迎えに行くの?
家の場所、知ってるって事?。」


不愉快そうに、美百合が詰め寄る。


鹿住くんは、私をチラッと横目で見て


「俺は、こいつの事なら何でも知ってる。」


と、意味深に言って妖艶に微笑んだ。


「誤解されるんで、そういうの止めて下さい!」


私は、慌てて割って入った。


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