千年の追憶【完】
「池の祠。
あそこじゃないと、妖力が半減する。」


「へぇ。そうなんですか。」


まだ腕は離されていない。


歩みも止まらない。


直にあの場所に着くだろう。


―あの場所。


学校から歩いて10分とかからない場所にある池。


そんなに広くもなく、公園と呼ぶには手入れされてないし閑散としている。


そんな場所に池はある。


その畔には古びた祠。


「俺達は学校に居る事になってるから姿を消すよ。」


すごく簡単な事をするかの様に鹿住くんが言った。


引っ張られるような格好でここまで来た。


何となくボーとしていた私は我に返った。


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