千年の追憶【完】
俺は、たまらない気持ちになった。


こんな頭のおかしい女に、水菊は殺されたのか?


構わず雪路は言葉を続けている。


「死んでまで早時様のお心を乱すなんて、どこまで迷惑をかける女なのかしら。
早時様、安心して下さいませ。早時様のお側には、雪路がついておりますわ。」


雪路はそう言うと、しずしずと俺に近寄り、腕に触れようとした。


「触るな!」


俺の怒りは限界だった。


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