千年の追憶【完】
俺は些細な事かもしれないが、羽琉に呼び方を変えてもらうのを諦めなかった。


やっとの思いで羽琉を説き伏せて、俺は名前で呼ばせる事に成功した。


そんな風に、俺にも自分の意思が芽生えて来た頃。


出会ってしまった。


俺の運命の女。


両親を亡くし、使用人として屋敷に来た、水菊(みなぎく)に。


それは俺が15歳の時だった。

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