千年の追憶【完】
『開けよ』


有無を言わさない、静かだが圧倒的命令の響き。


俺は従った。


音もなく、目の前に現れたのは。


… 鬼 …


銀色の髪と金色の瞳。

お決まりの角まである。


「お…に…。」


『そう、我は鬼。』


不思議と恐怖感はなかった。


とても妖艶な鬼で、美しいとも思える程に見入られた。


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