千年の追憶【完】
とても魅惑的な言葉に思えた。

水菊と結ばれる。


俺のものにできる。


羽琉の居ない世なら…。


『我の女を求める思いと、お主の女を求める思いが繋がった』
『故に、我の声がお主に聞こえた』


「お前も…?」


『我の名は聖月(せいげつ)』


「聖月?
ふっ…。
鬼には相応しくない名だな。」


聖月も鬼になる前、愛した女がいたんだろうか。


『求める理由は違う』
『しかし欲するモノは同じ』


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