千年の追憶【完】
明日、先日の女を連れて来いと言われた。


きっと雪路のことだ。


正直、顔も見たくないんだがな…。



でも水菊に会いたいという俺の欲望は、不老不死の鬼になる事を受け入れていた。


妖力で人間の姿にも変幻できるという。


今と姿が変わっていなければ、俺だと分かってくれるだろうか?


主従関係でなくなれば、俺を男として見てくれるだろうか?


抱きしめても、悲しい顔をしないだろうか?


また、何故、私なのか?なんて聞かないでくれよ。


俺は、お前じゃないと駄目なんだ。


今度こそ、心も欲しい…。


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