千年の追憶【完】
聖月の腕が静かに動き、雪路の胸を貫いたのだ。


聖月の腕が雪路の体から抜かれると、雪路はその場に崩れ落ちた。


聖月の手のひらには、雪路の心臓が握られていた。


聖月はゴクリと喉を鳴らし、俺を見る。


『何百年ぶりか』
『これで思い残す事もない』
『お主も喰ろうてみよ』


聖月は有無を言わさず俺の口に雪路の心臓を押し当てた。


たまらず顔を反らす。

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