千年の追憶【完】
あの竹林での事を思い出す。


遠い古(いにしえ)の記憶。


あの時の私は、ただ従うだけだった。


こんなにも早時様が私を求めてた気持ちには、気付かなかった。


ううん…。


気付かない振りをしていた。


気付いては、いけなかったから。


だって、お断りするなんて出来るわけない。


羽琉が好きだからなんて、理由にはならない。


この方は、大恩ある屋敷の主。


でも、今は?


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