千年の追憶【完】
長い口づけの後、私は静かに早時様を見つめた。


「どうした?」


「早時様は今も早時様ですよね?」


「何が言いたい…?」


早時様の綺麗な目元が少しだけ細くなる。


「私は今、都といいます。
水菊は昔の…。」


「自分は水菊ではないとでも言いたいのか?」


私の言葉を遮って、早時様は表情なく言った。


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