千年の追憶【完】
予感は的中した。


羽琉に気付いた早時様は、水菊に激しく口づけする。


水菊は早時様を突き飛ばして走り去る。


その場に残された早時様と羽琉。


水菊はその後の事を知らない。

だって私、逃げちゃったもんね…。


私は、聞こえてくる二人の会話に耳を傾けた。


あの後二人は何か話をしてたんだ。


正直、置いてきた二人の事まで、気がまわらなかったな。


「羽琉に言っておかなきゃいけないな。」


「…。」


「今のを見て、察しはついたと思うが…。
俺は、水菊が好きだ。
妻にしたいと思ってる。」


「…。」


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