千年の追憶【完】
ハハっと早時様は自嘲するように笑った。


「まったく…。
気付かないのは水菊本人くらいだよ!
本当に鈍感だよな!
まぁ、そうゆう所も可愛いんだけど。」


不意に真剣な眼差しを羽琉に向ける。


「羽琉。お前も水菊を好きなんだろ?」


「…!」


「俺にも分かるよ。
お前の気持ち。」


早時様は、少し横を向いた。


「こういう時、無口なのは不利だな。」


早時様は、からかうように、いつも羽琉に向ける笑顔を浮かべた。


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