千年の追憶【完】
羽琉も…。


羽琉も私を好きでいてくれたの…?


「羽琉も…水菊(わたし)を?」


私は、そっとタケルの腕に触れようとした。


その私の手は、早時様に阻まれた。


早時様は私の手首を掴んで、自分の腕の中に引っ張り込んだのだ。


「羽琉は水菊を諦めたんだ。」


羽琉を挑発するように、早時様は意地悪い笑みを浮かべる。


そして、口づけられた。


羽琉の目の前で。


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