千年の追憶【完】
久しぶりに入るタケルの部屋。

相変わらず、必要な物以外は何にもない。


殺風景というか、超シンプルというか…。


私はクッションの上に腰を下ろして、道中の自販機で買ったカフェオレを開けた。


「ねぇ。羽琉はさ、水菊の事どう思ってたの?
さっきの早時様との話ぶりだと、好きでいてくれてたの?」


「お前、急かすなよ。」


タケルもテーブルを挟んで私の向かいに座ると、ブラックコーヒーの缶を開けて口をつける。


「あったまるな。」


「うん。あったかい。」


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