千年の追憶【完】
でも俺は、何も出来なくて。


もどかしくて。


それから、お前に早時様の子ができて…。


殺されて…。


後を追うみたいに、早時様も神隠しにあって、居なくなってしまった。


まさか鬼になってたなんて、想像できないよな?



俺その後、嫁をもらったんだ。村長様の進めで。


穏やかな生活だったよ。


水菊の事も忘れた事はないけど、思い出となっていった。


俺には早時様のように、ずっと水菊を想い続ける事なんて、できなかったんだ。


あの時のあの気持ちは、なんだったんだろうな。


人が生きていくためには、過去を思い出にしていく事が、必要なんだろうな。


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