千年の追憶【完】
先生が、黒板に彼の名前を書いている。


鹿住 早時(かずみ はやとき)


私は何故だかその名に、小さく心臓が揺れた。


そっと目だけを動かして回りを伺ってみる。


『わぁ。女子達はこれから争奪戦に突入だな。』


小さくため息が出た。


転校生に視線を移す。


彼は真っ直ぐに私を視界に捉え、微笑みを向けている。


『…!! えっ?? なに?』


戸惑って私は、俯いた。


『目が合ってしまった。』


初めて会う人なのに、私の何かが彼を警戒させた。


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