千年の追憶【完】
私はふと足を止めて、タケルを見上げる。


「…?」


タケルも不思議そうに立ち止まる。


「あのね…。今日ね…。
転校生が来たの。」


「へぇ。」


「鹿住早時くんっていう男の子。
同級生だけど、年上なんだって。
クラスの子が噂してた。」


「はやとき…!?」


タケルは目を見開いた。


「もしかして、タケルの知り合い?」


「知り合いっていうか…。」


タケルはものすごく複雑な表情で、私をほったらかして自分の家に入って行ってしまった。


< 39 / 203 >

この作品をシェア

pagetop