千年の追憶【完】
「少し、時間をくれないか?」


私が挨拶を返すのも待たず、鹿住くんが続けた言葉に、本日二度目のびっくり。


「え?どうゆう意味?
これから学校行くんだよ?」


本当にこの人は、昨日から意味の分からない事ばかり言ってくる。


少し腹がたった。


「話をしたいんだ。」


「だって学校行かなくちゃ。」

「問題ない。」


艶やかに微笑むと、鹿住くんは私の手を取って歩くように促した。


連れてこられたのは、昨日美百合と鹿住くんを置き去りにした池の前の祠。


私は下を向いて、誘導されるままに手を引かれてここまで来た。


「ねぇ。鹿住くん。学校…。」


「心配いらないよ。
俺さ、時間を自由に動かせるんだ。
限界はあるけどね。
またこの時間に戻ってくるから、学校には行ける。」


もう何でも来いの気持ちだった。


今度は時間を動かせるなんて言ってる。


へぇ…。


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