千年の追憶【完】
―夢…?


私は、狭いけどきちんとした一人部屋を与えてもらっている。


今はまだ、布団の中でまどろんでいる。


外が白んできた明け方。


段々ハッキリしてくる意識。


私は、夢うつつの中で誰かに話をしていたみたい。


私、誰に語りかけていたのかしら…?




―今は春。


桜が舞い始めた季節。


水を使ってもあかぎれにならないから暖かい季節は好き。


『さて、身支度を整えて仕事しなくっちゃ。』


私は、布団から起き上がった。
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