千年の追憶【完】
「で、どうしたの?
何か用事でもあった?」


「あぁ…。
お前、水はもう汲んだのか?」


「ううん、まだよ。
ちょっと一息ついてからと思って。
早時様もおでかけのようだから、今のうちにお部屋に飾るお花でも摘んでこようかなって。
だめかな?」


私は、伺うように答えた。


「いや…。行ってこい。」


「羽琉も一緒にどう?」


「俺はいい。」


羽琉はとても背が高くて、私はいつも見上げながら話す。


羽琉が花を摘んでいる所を想像して、つい笑ってしまった。


「お前今、想像したんだろ!
俺が花摘んでるとこ!」


「え~!すご~い!
何で分かったの?」


私達は二人で笑いあった。


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