千年の追憶【完】
相変わらず、雪路様は三日と開けず、早時様にお会いしに来られた。
そんな日の夜は、早時様も私の部屋にお見えになる。
他の女は要らないと、私を求める。
早時様がどんなに甘い言葉を囁いて下さっても、私の気持ちが変わる事はなかった。
早時様への尊敬の気持ちや、お慕いする気持ちも、そのまま変わる事はなかったけど。
でもそれは、主と使用人という絶対的な主従関係の上での事。
―ある日
初めて唇を奪われた、あの竹林に連れ出され、早時様は静かに私におっしゃった。
「いい加減、俺を一人の男として見てくれないか。」
ドキッとするほどに妖艶なお顔。
「…。
私は、使用人ですから。」
「そうやって、はぐらかすのは止めてくれ。
気持ちは羽琉にあるんだろ?
あいつは使用人だが、幼い頃から兄弟のように育ってきた。
あいつの良さは俺も知ってる。でも羽琉には渡さない。
…お前を妻にしたい。」
真剣な表情で、とても重要な事を早時様は口にした。
そんな日の夜は、早時様も私の部屋にお見えになる。
他の女は要らないと、私を求める。
早時様がどんなに甘い言葉を囁いて下さっても、私の気持ちが変わる事はなかった。
早時様への尊敬の気持ちや、お慕いする気持ちも、そのまま変わる事はなかったけど。
でもそれは、主と使用人という絶対的な主従関係の上での事。
―ある日
初めて唇を奪われた、あの竹林に連れ出され、早時様は静かに私におっしゃった。
「いい加減、俺を一人の男として見てくれないか。」
ドキッとするほどに妖艶なお顔。
「…。
私は、使用人ですから。」
「そうやって、はぐらかすのは止めてくれ。
気持ちは羽琉にあるんだろ?
あいつは使用人だが、幼い頃から兄弟のように育ってきた。
あいつの良さは俺も知ってる。でも羽琉には渡さない。
…お前を妻にしたい。」
真剣な表情で、とても重要な事を早時様は口にした。