千年の追憶【完】
「違うの。
私はそんなこと望んでない。
私はいつからか羽琉の事、男の人として見てた。
羽琉しか好きじゃない。
だけど、早時様に逆らうなんてできなかったの。
今更こんなこと言って。
きっと羽琉は、私の事軽蔑してるでしょ…。」


一気に私は、捲し立て、羽琉の胸を叩いていた。


羽琉はその私の手を止める事はなくて…。


「こうなった今、もう俺がしてやれる事はない。
ありがとう。
死ぬまでお前の言葉、忘れないよ。」


私の頭を自分の胸に静かに押し当てた。


私は、夢中で羽琉に抱きついていた。


…最初で最後だと思った。


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