千年の追憶【完】
「ねぇ、早時様に抱かれてどうだった?
早時様はどんな風に、あなたを愛したの?」


ねっとりとした白い手が、私の首筋を撫でる。


「…っ!!」


背筋がゾクッとした。


雪路様の瞳が、何かを想像しているように宙をさ迷う。


「水菊。教えてよ…。
早時様は良かった?」


「や…止めて下さい。」


私は雪路様の言葉に、耐えられなかった。


やっとの思いで、かすれた声を出した。


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