30才の初恋

告白2

タクシーの運転手に行き先を告げると、もうホテルには入れないだろうと言われた。




でも迷ってなんかいられない。




12月のこの寒さの中で、斗真は何処で待ってると言うの?




レストランには入れない、もうバカなんだから、来ない相手を待ってどうすのよ。




ホテルの前でタクシーを下りると、ホテルの入り口に急いだ。




ホテルの業務はすでに終わっていた。




斗真は何処にいるの?




携帯が鳴る。




「バカ斗真、何処にいるのよ。」




「明日美、来てくれたんだ。」




「もう、何処にいるの?」




「ホテルの向かい側の公園、寒くて死にそう。」




アホ、バカ、そのまま死んじゃえ!




斗真は公園のベンチに膝を抱え座っていた。




本当にバカとしか言いようがない。




斗真が私を見て、力なく笑う。




「来てくれて、「バカ死んだらどうするのよ!」




明日美に会うまで死んだりしない。死にそうな顔でそんな事言わないでよ。




冷たくなった斗真の体を抱き締めた。



笑っちゃうよ。



本当に二人とも大バカだ。










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