30才の初恋
織原さん、年は言わなくても良いのではないでしょうか。


かなり30才を強調してますよね。


何故か副社長に睨まれたまま。


「ふ~ん。30には見えない。俺と同じ年だな、明日美さん。俺の名前を覚えているかな?清水斗真だけど。」


清水斗真?


嘘だ、何でここにいる訳。


清水斗真、忘れたくても忘れられなかった男だ。


そうだここが清水建設だった事に、何で気づかなかったんだろ。


もうこれ以上は無理、帰る。


私は痛む足で思いきりかけ出した。


二度と会いたくなかった、清水斗真なんかに。


もう惨めな思いはしたくない。


逃げなきゃ!


「武井さん、待ちなさい。」


私を追いかけてくる織原さんと、その後ろには副社長の姿。


私の人生は、どうして逃げてばかりなの。



泣けてくるし、悔しいけど、私には逃げる道しかない。


絶対逃げっ切ってみせる。
















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