30才の初恋
斗真と会えない一週間はあっと言う間に過ぎた。




金山さんの送迎を断り、私は円香の車を借りて通勤している。




誰も頼らず自分の足で、一歩づつ歩いて行こうと思う。




私は覚悟を決めて、宗次郎の家へ向かった。




奈歩ちゃんの好きなショートケーキと、宗次郎にはワインを買った。




お泊まりセットも持って来た、これが私の返事になる。




宗次郎を選んだ。




斗真を信じるとか信じられないとか、そんな問題ではない。




斗真に私は不釣り合いだから、将来斗真は社長になる男だから。




その隣に私は必要ない。




斗真の隣にいる自分が想像できないのだ。




斗真の結婚を祝福しようと決めた。




涙は出なかった。




斗真、バイバイ。










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