30才の初恋

バカヤロー男2人

「斗真はどうしたいの?私にどうしろと言うのよ。」



「嫉妬しろ。」




嫉妬、誰が誰に?




「明日美に嫉妬してほしくて、加容子の誘いに乗った。一真に一週間でいいからパパになってと頼まれた。」




はぁ、私に嫉妬してほしくて、バカにもほどがある。



バカ、バカ、斗真の大バカヤロー!




この際一回死んでみたらどうかな。



宗次郎は呆れ過ぎたのか、何も言おうとしない。




情けない顔なんてしないでよ。斗真はいつも男らしくて、女なんかに振り回されない男でいてほしいのに。




斗真は私の永遠の王子様なのに、今は私にすがるバカ王子なった。




殴り倒してやろうか、だけど、どうしても斗真を憎めない。




どうやらこのバカが、私も好きみたいだ。




バカはバカ同士がお似合いかも、だなんて、簡単にここで終わらせる事は出来ない。



単細胞の私には、これ以上どうする事が一番良い方法なのか分からなかった。
























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