30才の初恋
お飾りの秘書なんか嫌なのに、秘書の仕事をしていると、斗真が邪魔をする。




「おまえは仕事はしなくていいから、俺の側にいろ。」




副社長の斗真が、秘書の私を婚約者だと正式に発表したから、もう大変なことになった。



とにかく毎日が大変で、回りの人のヒソヒソ話が耳に入ってしまう。



《副社長の婚約者、30才のオバサンなんだって、見た目もたいしか事ないし、何処がいいんだか。》




毎日、毎日、みんな暇なんだね。




《ほら見てよ、副社長と釣り合わないわね。》




チッ、私より先に斗真が切れた。




「明日美は、おまえらより可愛いんだよ。大食だし、何処でも寝れるし、逃げ足がバカ早いんだ。」




何それ、全然誉めてないじゃん。




こうなったら開きなおってやる。




そうなんです、副社長は、30才の冴えないオバサンが大好きななんですよ!!



ああ、すっきりした。














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