30才の初恋

麻生七瀬と金山勝次

冷たい、もうなんなのよ。斗真といると本当にろくなことがない。




女にどれだけダラシないのよ、女をバカにすると痛い目にあうんだからね。




「七瀬、明日美には関係ないだろ。確かにおまえと付き合ってたが、七瀬は俺でなく金山を選んだ違うか。」




金山さんって、あの秘書の金山さんだよね。




今日も一緒に北海道に来ていた。




「何で金山と離婚した?」




「彼の浮気が許せなかった。私はやっぱり斗真がいい。斗真となら上手くやれると思うの。」




はぁ何言ってんの、この女。




あっちが駄目ならこっちだなんて、物じゃないんだ簡単に交換なんて出来ない。



「明日美、怒るとこ間違ってる。」




やだ、え、何か間違った事した。



「明日美、顔を拭けよ。」




斗真がおしぼりでゴシゴシ私の顔を拭く。




斗真、痛いてば!



ちょっと待って、なんか可笑しな転回になってないかな。



痛いのは顔だったけ?



顔は冷たかったけど。















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