30才の初恋
社長は集中治療室にいた。



咲良さんと3人で社長の無事を祈っていると、集中治療室から医師が出てきた。



宗次郎に何処か似ている、多分宗次郎のお兄さんだと思う。




「父の具合はどうなんですか?」




「今は落ち着いています。相当疲労がたまっているようですね。血圧もかなり高く、少し入院して頂いて検査をしましょう。」




良かった。




咲良さんもほっとしていた。



本当に良かったそう思ったら、緊張がとれ腰が抜けて、その場に座り込んでしまった。




「あらあら明日美ちゃん、社長の事がよほど心配だったのね。」




「本当に手がかかる奴だな。」




斗真が私を担ぎ上げた。




「おふくろは親父の所にいて、俺は入院の手続きをしてくる。」




「斗真、下ろしてもう大丈夫だから。」




「うるさい、大人しくしてろ!」




だって恥ずかし過ぎるよ。みんなの視線が気になるし、荷物じゃないんだからさ。



お願いだから下ろして下さい。















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