30才の初恋
弘平君のマンションはコンビニの直ぐ近くにあった。




凄いなこのマンション、他のマンション何処かと違う。




「オバサン、建物に興味あんの?このマンションは親父が設計した。」




弘平君のお父さんは建築家なんだ。




マンションの中も素敵だった。



「オバサン、適当に座って何か飲物取って来る。」




わぁ、内装も素敵だ。




「オバサン、キョロキョロし過ぎ。」




さっきからオバサン、オバサンってうるさい奴。




「私の名前は武井明日美だから、明日美さんて呼んでね。」




分かったじゃ、明日美って呼ぶ。




声まで斗真に似てる。




やだ、何で、斗真の事なんか思いだしてんだろ。




斗真の事なんか忘れてやるんだから。




「明日美、失恋でもした?」



失恋したならまだいいかも。




この気持ちをどう話せば理解して貰えるのかな?




「まだ腹減ってるだろ、飯作って来るから待ってて。」




いいのかな、初対面なのに弘平の優しさ甘えてしまった。




何で、こんなに心地よいのか、不思議だ。




この部屋は本当に心も暖かくなるみたい。




帰りたくない。












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