30才の初恋
「今から明日美って呼ぶから、彼女ぽく答えて。」




「明日美、少し飲みすぎたみたいだ。大丈夫?」




準平さんが肩に手を回す、もう半端なく心臓がドキドキしてる、え、何、首を傾ければいいの?




こうかな。




「この角度は、副社長から見たらキスしてるように見えるんだよ。」




準平さん、それにしても唇近すぎです。




準平さんの彼女はどんな人なのだろう。




準平さんは大学の時その彼女と出会い、彼女の妊娠をきっかけに結婚をしたが1年で別れた。




「お互い若かったから喧嘩ばかりで、子供の可愛さもわからなかった。」




同級会で彼女に出会い、彼女が一人で5才の娘を育ててるのを聞いたら娘に会いたくなった。




だけど、娘には会わせてもらえなかった。




彼女が泣きながら言ったんだ。娘に会わせたら、パパだよって言ってしまいそうだからと。




泣きながらそう彼女が言った時、俺は目が覚めた思いがした。




今からでも遅くないのではないか。




僕が何故、恋が出来ないのか分かったんだ。



隼平は彼女と歩む人生を選んだ。













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