30才の初恋
斗真の後を付いて行くと横から腕を捕まれた。




ちょっと誰、弘平だった。



「すみません。トイレに行って来ます。」




「ちょっと、弘平驚くでしょ。」




「明日美、緊張しずき、ロボットみたいな歩き方になってた。」




ロボットって何よ、弘平が明日美の真似と言って可笑しな歩き方をした。




思わず笑ってしまうと、その笑顔を忘れるなよ。親父も来るから安心していい。




本当に上手く行くのだろうか。




私と準平が結婚するなんて言ったら、斗真は驚くどころか、その方が自分に都合が良いと思わないか、心配になった。




「いいか、兄貴に任せておけばいいからな。明日美は笑ってろ。」




「弘平、私の為にありがとう。」




俺はあいつが嫌いだが、明日美はあいつが好きだから、俺は諦めるしかない。明日美が幸せでないと、俺は諦め切れない。



弘平が私の事をそこまで考えてくれてるなんて、本当に嬉しい。




12才も年下の弘平が頼もしく思えた。













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