30才の初恋
キラキラ輝く素敵な教会、みんなが幸せを誓う神聖な場所で、私たちは神に背くような事をしようとしていた。




準平が待つ場所まで兼太郎と腕を組み、バージンロードを歩いた。




緊張して上手く歩けない。




斗真はまだ来ていない。




必ず準平から奪いに来るなんて大嘘ついて、このまま準平と結婚してやる。




準平と顔を見合わせて微笑んだ。




では、神父様が言葉を言いかけた時、子供を連れた女の人が飛び込んで来た。



多分準平の好きな女性だ。



女の子がパパ!って叫んでかけて来た。準平、受け止めなきゃ駄目だよ。




準平がかがんで女の子を抱き締めた。




「ごめんなさい。私熱が出て動けなかったの。準平まだ間に合うかな?」




ベールを外し彼女の髪に着け、ブーケも彼女に渡した。




準平おめでとう、幸せになってね。




間に合って本当に良かった。




まだ斗真は来ない。



これが私への答えなんだね。



もう、斗真を諦めるから。














< 215 / 308 >

この作品をシェア

pagetop