30才の初恋
スリッパに履き替えた私は180ある宗次郎から見れば、子供みたいな身長だ。

相変わらず小さいなと私の頭をなぜる。


もう止めてよ!その手を振り払うと、相変わらず可愛くないなと又笑う。


三浦さんは宗次郎のどこがいいんだろ。


「武井は斗真に会ったのか。」


会いたくないのに、会いました。


「さっき会ったけど、別に今までと変わらない。この会社に私が入れたのは斗真が裏で何かしたみたいだけどね。」


宗次郎が俺も同じようなものだと言ったが、意味が分からない。

宗次郎から携帯番号とアドレスが書かれた紙を渡され、又ゆっくり話そうと言われた。


宗次郎は、私と斗真のことも良く知っている仲だ。


医務室を出ようとすると、宗次郎が必ず連絡しろと言った。

「俺さ、バツ1で3才になる女の子がいるんだ。」


切ない顔で私を見る。


会わなかった何年間の間、みんなそれぞれ変わって当たり前だけど。


受付に戻ると、藤川様が帰る所だった。


藤川様に食事に誘われ、名刺を渡される。


初日から本当に慌ただしい事ばかりが続いた。


疲れたけど、藤川のおじいちゃんに会えた事が嬉しい。




























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