30才の初恋

源ちゃんの過去

源ちゃんに携帯を取り上げて、電源を切った。




「いつまで俺に、仲がいいとこ見せつけるつもり。もう直ぐ明日美は俺のものになるのに。」




源ちゃんが何をしたいのか、分からないよ。




私を脅かして楽しんでるみたいにも思えるし。




このまま源ちゃんの言いなりになるなんて、絶対嫌だ。




源ちゃんが近づいて来た。慌てて逃げようとして、足を引っ掛けて転んでしまった。




キャー!




咲良さんが抱き起こしてくれた。




「源ちゃんは何処に。」




「源太郎なら、今出て行ったから大丈夫よ。今日から一緒に、私がこの部屋にいるから安心してね。」




斗真から電話で、俺が帰るまで明日美と一緒にいてくれと頼まれたと、咲良さんが言った。




「源太郎は明日美ちゃんに、何をしようとしてるのかしらね。」




咲良さんが源ちゃんの事を話してくれた。




源ちゃんが、私に拘る理由はなんなのか。













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