30才の初恋
明日美を虐めるな。そう言って斗真が源ちゃんを殴ったんだ。




源ちゃんはずっと泣いていた。




もう泣かなくてもいいよ。私が源ちゃんの頭をなぜた。




源ちゃんはありがとうって言って、私のホッペにキスして又斗真に殴られた。




斗真痛いよぉ。泣き続ける源ちゃんの姿。




「源ちゃんも明日美ちゃんが好きだったけど、言えなかったのよね。」




僕のお嫁さんになってと源ちゃんに言われた、私の記憶違いなの。




私の思い違いなのか。




園長先生が僕のお嫁さんになっては、源ちゃんが劇の中で、明日美ちゃんに言ったセリフだったんじゃないかなと、笑った。



劇中のセリフだったの。




「俺が風邪で休んで、源太郎が俺の代役をしたあの劇の事なのか。」




私は劇中のセリフを本気にしてたって事。




「あの頃から斗真が羨ましかった。僕も明日美が好きなのに、斗真が明日美を一人占めにして、だから意地悪をした。」



ごめんね、源ちゃん。




私は斗真しか見てなくて、斗真としか遊ばなかった。



嫌な思いをさせてしまって、本当にごめん。



あの頃も意地悪ばかりする源ちゃんを、かなり怖がったと思う。










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