30才の初恋
「おい、武井明日美、副社長室まで直ぐに来い。」




なによいきなり、本当に失礼な奴。




こんな男の為に、私は20年間を無駄にしたのだ。




「さっさと来るんだ。」




「副社長どうされたんですか?武井が何か失礼な事をしたのでしょうか?」




失礼な事をしているのは副社長の方なのに、悔しい。



立とうとしない私を無理矢理立たせ、エレベーターに乗せられる。




「俺の言う事を聞け。明日美は今日から俺の秘書だ。」




「やだ、秘書なんて無理です。斗真とずっと一緒だなんて、考えただけで吐き気がする。」




本当に吐きそうだ。




体が震え、斗真の腕の中で意識を手放した。




頭が痛い、私どうしたんだろ。




目を覚ますと、そこは医務室だった。




何で、医務室にいるの。



確か、斗真に無理矢理連れて行かれそうになって。



で、気を失ったのか。




















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