30才の初恋
「明日美、俺をさそってるのか?」




そんなつもりは全くありません。



斗真が嫌がる服装にしてみたんだけど、まさか逆効果。




車を下りると、斗真が着ていたスーツの上着を私に掛けた。




「いいからそれを着てろ。目のやり場に困る。」




やだ、着ない。




「パンツ見せて歩くつもりか。そのモウモウ柄のパンツ見る方が気の毒だ。」




あ、しまった。パンツ履き替えるのを忘れた。




自分で確認すると、本当に黒白のモウモウ柄のパンツだった。




「明日美はそのままでいいから、無理をするな。」




悔しい。




初日から斗真に一本取られた。




秘書の仕事は思ったより、かなりハードだった。










< 48 / 308 >

この作品をシェア

pagetop