30才の初恋
次の朝7時に無理矢理起こされると円香にメイクされた。


その会社には制服があるらしくて、ピンクのスーツを着た自分の姿を鏡で見て驚く。


昨日までのオタク女には見えない。


なんて、感心してる場合じゃないよ。


「背筋を伸ばして前を向いて歩く事。それとケラケラ声出して笑わない事。分かった。」


私は笑い上戸で、可笑しい事があると声を出して笑ってしまう。


笑う事を我慢するなんてあり得ない。


テレビを見てケラケラ笑う私を家族はいつも呆れ顔で見てる。


私はお笑い芸人オタクでテレビだけが唯一の楽しみ。


好きなお笑い芸人のライブには必ずに行く。


芸人オタクの人とは会話も弾むし、服もあまり気にしなくていいから楽だ。


仕事に行ったら、お笑いのライブに行けない訳でしょ。


そんなの嫌。


私の自由はどうなるの。


楽しいはずの誕生日にこんな悲劇がおこるだなんて。


お先に真っ暗だ。




































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