30才の初恋
「ママはパパと結婚するの。斗ちゃんは奈歩と結婚するんだよ。」




私が宗次郎と結婚して、斗真が奈歩ちゃんと結婚したら、私が斗真のママ。




ダメ、ダメ、絶対駄目!




「嫌だ!」




「明日美、何を泣いてるんだ。」




「斗真のママにはなりたくない。」




「おまえ、本当にバカか。奈歩が結婚出来る年令になる頃、俺は何才になってると思うんだよ。」




16で結婚出来るから後13年、斗真は43才。




かなりのオジサンだ。




「明日美、何にやついてんだよ。」




斗真が私の頬を摘む。




痛い。




「斗ちゃん、ママを虐めないで。ママはパパのだからね。」




嫌、嫌、違う。




私は誰のものでもない。




「今直ぐでなくていいから、俺か宗次郎を選らぶんだ。」




意味が分からない。




遠い昔、同じような事があった気がする。




私が2人のどちらかを選ばないといけない訳?




「斗真、おまえはいつも強引だな。明日美俺はあの時伝えられなかった気持ちを、今伝えたい。」




どうしよう、怖い。









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