30才の初恋
「あり得ない、あなたが何で株主なの!半数以上を締めるだなんて、どうせ藤川さんがやったんだろうけど、あなたが私に勝てる訳なんかないのよ!」




胸ぐらを捕まれ帯は苦しくて、美味しい食事も食べれないまま、死にたくはない。




ありったけの力を振り絞り、雪子さんの手を払った。




雪子さんは本当に斗真が好きなの。



「お金では何も手に入りません。斗真が好きなら堂々と告白すればいいじゃないですか?」




そんなに睨まなくてもいいのに、鬼のような顔をしてるし、鏡を見た方がいいとおもうけど。



鬼なんかに負けたくない。




「私が告白、一度振られてる斗真に又告白なんて出来る訳ないでしょ。」




どういう事。




雪子さんは斗真に告白して、断られていた。




いつ話なのか。




「私も昔は、あなたみたいに純粋だった。高校生の時、斗真と出会ったのよ。」




そんな前に出会っていたなんて、私は知らない。




でも、何で振袖を着なくちゃいけないの?本当に分からない事だらけです。












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