犬と猫…ときどき、君

――……
―――……


「何か俺、懺悔室の神父さんにでもなった気分」

目の前で、確かに俺の懺悔とも取れる話しを聞いた篠崎は、困ったように溜め息を漏らした。


「だけどさ、春希。それと松本サンと付き合うの、何の関係があるの?」

当然とも言える、その質問。


「おかしいと思わねぇ?」

「へ?」

「あの画像」

「……どゆこと?」

「俺のも、胡桃のも……なんでかタイミングよく撮ってる奴がいるんだよ」


――そうなんだ。


「俺さ、あの時、松本サンに促されて図書館に行ったんだよ。それに、及川さんが胡桃の部屋に入る写真が何枚もあった。胡桃の家を見張ってるみたいに」

「協力者がいるってこと?」

「そこまで大げさなもんかは知らねぇけど。多分、嵌められたんだろうなぁって」


静かだった図書館。

携帯のカメラだったら、絶対にシャッターの音で気付いたはずなんだ。

でも、そんなものは聞こえなかった。


「多分、携帯じゃなくて普通のカメラで撮ったんだろ」

「……」

「あの掲示板を興味本位で覗いてるような奴らが、普通そこまでやるか?」

「やらないかもねぇ」

俺の言わんとする事を理解したのか、一瞬天井に視線を向けて、大きく息を吐き出した篠崎。


「きっと、松本サンに頼まれたんだろうねー。だから、春希は松本サンの傍でスパイ活動?」

「他にもまだ胡桃を傷付けるような画像があったり、直接何かしようとした時のこと考えたら、傍にいた方が手は打ちやすいだろ」

「そんなの、芹沢が喜ぶと思う?」

心配しているのか、それとも怒っているのか。

その真っ直ぐな瞳に、俺は小さく息を吐き出して、再び口を開く。


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