犬と猫…ときどき、君
「ねー……」
「んー?」
「暗いよ?」
カチカチと点滅する街灯に少し不安になった私は、周りを見回しながら城戸に声をかける。
「大丈夫だって」
「えぇー……」
だって、何か不気味だし。
「いいから。さっさと来いよ、酔っ払いー」
「へ? わ……っ!!」
立ち止まる私に笑いながら暴言を吐いたあと、痺れを切らせたようにズカズカと近寄った城戸が、私の手を掴んで歩き出す。
「ちょっと!」
「あー?」
目の前には、振り返る事なく返事をした、城戸の広い背中。
「手、痛いよー」
「だってお前、こうしないと来ないだろ?」
「……」
そうかもしれないけど……。
それよりも、今は城戸と繋がる手の方が気になってしょうがない。
私の手は、女にしては大きい方だと思うんだけど、城戸の手はそれをスッポリ包み込むくらい更に大きい。
――やっぱり、酔っぱらっていてよかった。
「あっ!!」
「あ?」
城戸曰く、近道のその道路を歩くこと数分、目の前にあるその場所に、私はちょっとだけワクワクしならが声を上げた。
「公園!」
「……」
「公園だよ、城戸!!」
「おー……。公園だね」
「……」
「何だよ」
「遊ぶ!!」
「はぁっ!?」
「ほら、早く早くー!」
さっきまで城戸に引かれていたその手を、逆に引っ張りながら、私はその公園に向かって歩き出す。
なんかもー、酔っ払っているし、どうでもいいや。