犬と猫…ときどき、君
家に帰ってからも、マコの言葉がなかなか頭から離れなかった。
お風呂から出た私は、濡れた髪のまま冷蔵庫を開けると、そこからペットボトルを一本取り出す。
「ふー……」
ソファーに腰を下ろし、大きな溜め息を吐きながら、私はマコの言葉をまた頭の中でくり返していた。
私は、城戸とどんな関係でいたいんだろう?
「友達、でしょ?」
考えても考えても、やっぱり出てくる答えは同じ。
だけど、そうだとしても。
あの時の松元さんの言葉を、許すことは出来なかった。
獣医としてもそうだけど、城戸に対してもそう。
でもこれって、自分を“昔の彼女だ”って思ってるから出てくる考えなのかな……?
そうだとしたら、それって、もの凄い驕《おご》りだ。
「最悪」
ポツリとそんな言葉を口にした私は、そのままソファーに倒れ込んで、ゆっくりと目を閉じた。