犬と猫…ときどき、君

「ホント、誕生日なのに災難だね」

「まぁ、自業自得な部分もあるし」


マコから真夜中に届いていたお祝いメールで、今朝思い出した自分の誕生日。

こんなに残念な状態で迎える誕生日は、本当に久し振りだと思った。


ダメだなぁー……。

鬱々とする気分を振り払おうとして頭を振れば、頬っぺたがズキズキするし。


「芹沢。この高橋 モモちゃんって、タガアレルギーだよな?」

「……」

「何だよ」

「べっつにぃー」

城戸とマコは、ますます不仲だし。


「うん。モモちゃんはいつもタガ半量で注射してるよ」

「……だよな。ありがと」

「うん」

もちろん、城戸と私も少し気まずいから、結局、病院の雰囲気は一日中悪いまま。


結局、下ろした髪でなんて誤魔化せるはずもなかった頬の腫れを、一日中オーナーに指摘されながらその日の診療を終えることになった。


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