犬と猫…ときどき、君


結局あれから、何度か春希に留学の話を聞いたんだけど、その度に困ったように笑われた。

それに加えて、「もうちょっと時間ちょうだい」なんて言われたら、もう私も何とも言えない。


「……よし!」

どこか悶々とした気持ちのまま迎えた、水曜日。

今日は今野先生と出かける日だから、いつもよりもちょっとだけ可愛いワンピースなんか着てみたりした。


「変じゃないかな?」

昨日の夜も、そうじゃない日も。

やっぱり今野先生と、このまま付き合っていていいのかと悩む日は続いていて……。

だけど、こうして一緒に出掛ける日は、心が軽くなって楽しみだと思える。


だから私は、きっと今野先生のことも“好き”。

それって、本当に今野先生の言葉に甘えている、最低な状態だと思うけど……。


いつかきっと、今野先生の事を、一番好きになりたい。

その気持ちだけは、紛れもなく本当の気持ち――……。


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