面倒くさい恋愛劇場
「あれ?」
声をかけてくれたのが、彼の方からで良かったと思う。
シュークリームの列に隠れるようにして、今回は言葉通り「待ち伏せ」をしていたわたしは、彼の手に届いた手紙の束を差し出した。
「? ラブレター?」
どこまで自信家なのだと思いながら、こういうシチュエーションは、彼にとってそういう場合でしかないのかもしれないと思う。
「期待外れで申し訳ないけれど、違います。……放っておけば、どうにかなるかと思ったんだけど」
「? ……!」
手紙の中身を見た彼の顔が青ざめる。
瞬時にわたしの顔を見て、また手紙に視線を戻して、ぐしゃりと手にした手紙を握りつぶす。
「……警察、行きます?」
前回の様子からして、彼はそれほどストーカーの彼女を怖がっている風には見えなかった。
もしかしたら、そういう嫌がらせじみた好意を受けることも、彼にとってはよくある出来事なのかもしれない。
けれど、今回のこの手紙は、明らかに『悪意』を感じる。
「悪いけど、一緒に行ってもらってもいいですか? なんだかんだで、あんたにも迷惑かけそうだし」
声をかけてくれたのが、彼の方からで良かったと思う。
シュークリームの列に隠れるようにして、今回は言葉通り「待ち伏せ」をしていたわたしは、彼の手に届いた手紙の束を差し出した。
「? ラブレター?」
どこまで自信家なのだと思いながら、こういうシチュエーションは、彼にとってそういう場合でしかないのかもしれないと思う。
「期待外れで申し訳ないけれど、違います。……放っておけば、どうにかなるかと思ったんだけど」
「? ……!」
手紙の中身を見た彼の顔が青ざめる。
瞬時にわたしの顔を見て、また手紙に視線を戻して、ぐしゃりと手にした手紙を握りつぶす。
「……警察、行きます?」
前回の様子からして、彼はそれほどストーカーの彼女を怖がっている風には見えなかった。
もしかしたら、そういう嫌がらせじみた好意を受けることも、彼にとってはよくある出来事なのかもしれない。
けれど、今回のこの手紙は、明らかに『悪意』を感じる。
「悪いけど、一緒に行ってもらってもいいですか? なんだかんだで、あんたにも迷惑かけそうだし」