彼氏の余命を知ってる彼女。


そして、ベッドの上に頭だけを乗せ、ヒカルの顔の近くで私は眠りについた。


私が深い眠りにつくと、ヒカルがむくりと体を静かに起こす。


「…寝たか…」


ヒカルは静かに呟き、私をベッドの上へ運んで布団をかけた。


一方、ヒカルは私と同じように下着やらを身に付け、自室を出て行った。


そして、隣の部屋のドアが閉まる音が静かに響いたが、それは私には届かなかった。


隣の部屋、それは、私が泊まるはずだったキャストルーム。


そこでヒカルが何をしていたのかは私にはわからない。


だだわかったのは、私をベッドの上に運んでくれた事だけ──。


私はそれだけしか…わからなかったんだ──。


    
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