彼氏の余命を知ってる彼女。


『あの女のように──』


と、目を伏せて静かに言う死神の姿を最後に──。



「…」


「ヒナ、また寝てるの?ご飯できたから降りてきなさい」


無の世界から現実へ戻って来ると、お母さんが私の部屋のドアを開け、怠そうに呟いた。


私はしぶしぶ体を起こし、机の方へ視線を向ける。


    
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